クレジットカード大手のVISAとマスターカードが、加盟店に課す決済手数料の引き下げに同意したようです。
これは加盟店との訴訟で和解し、引き下げで合意したのだそうで、裁判所の承認を経て和解案は発効され、加盟店は5年間で約300億ドル、日本円にして約4兆5000億円を節減できる見通しなのだとか。
消費者がカード決済すると加盟店が、加盟店手数料を支払うのですが、アメリカでは 金額の2%程度とされ、その手数料はビザやマスターカードなどブランド会社、加盟店管理会社、カード発行会社に配分されています。
この数料を巡っては、2005年に一部の加盟店が反トラスト法(独占禁止法)に抵触するとして集団訴訟を起こして以来、訴訟が繰り返されてきており、今回、和解に至ったようで、その和解案は発効に向け、ニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所の承認を得る必要があるようです。
加盟店側の代理人は、3年間にわたり手数料を少なくとも0.04%引き下げることに加え、5年間は手数料に上限を設けることで2社と合意したと明らかにし、加盟店は手数料の高いカードの利用に料金を上乗せすることで手数料が低いカードに顧客を誘導することなども可能になり、これらは最終判決が下される日までに加盟したアメリカの全店舗が対象となるのだとか。
とはいえこの和解案を巡り、今後加盟店側からさらなる対応を求める声が上がる可能性も指摘されていて、業界団体の小売業リーダーズ協会は声明で「提案された和解条件が現行の手数料システムによる損害を軽減できるかどうかは、慎重に見極める必要がある」とし、大手の小売業者は和解条件を精査する意向だと表明しています。